眞田 克典(さなだ かつのり)

連絡先

E-mail: sanada@rs.tus.ac.jp(SPAM対策の為アットマークは全角です)

研究分野

代数学/環論/ホモロジー代数,多元環の表現論

研究内容

私の研究は多元環のコホモロジーに関するものです。一般にコホモロジーを計算することは困難とされており,ごく特別な多元環に対してのみ求められています。コホモロジーを一言で説明するのはほとんど無理ですが,ある多元環が「分離性」という非常に「良い」性質からどれくらいギャップがあるかを計る目安となるものと言うこともできます.私は,より広い範囲の多元環のコホモロジーを計算する手法を開発するという目標を持って勉強・研究しています。

主要論文・著書・学会発表

  • Hideyuki Koie, Tomohiro Itagaki and Katsunori Sanada, On presentations of Hochschild extension algebras for a class of self-injective Nakayama algebras, SUT Journal of Mathematics, Vol. 53, No.2, 2018, 135-148.
  • Masamitsu Shimakura and Katsunori Sanada, On the Hochschild cohomology ring of integral cyclic algebras, SUT Journal of Mathematics, Vol. 52, No.2, 2017, 159-179.
  • Ayako Itaba, Takahiko Furuya and Katsunori Sanada,  On the Decomposition of the Hochschild Cohomology Group of a Monomial Algebra Satisfying a Separability Condition, COMMUNICATIONS IN ALGEBRA, 43-6, 2015, 2282-2292.
  • Tomohiro Itagaki and Katsunori Sanada, Notes on the Hochschild homology dimension and truncated cycles, ARCHIV DER MATHEMATIK, 103-3, 2014, 219-228.
  • Tomohiro Itagaki and Katsunori Sanada, The dimension formula of the cyclic homology of truncated quiver algebras over a field of positive characteristic, JOURNAL OF ALGEBRA, 404, 2014, 200-221.
  • Takahiko Furuya and Katsunori Sanada, Hochschild Cohomology of an Algebra Associated with a Circular Quiver, Communications in Algebra, 34(2006), 2019 – 2037.
  • Manabu Suda and Katsunori Sanada, Periodic projective resolutions and Hochschild cohomology for basic hereditary orders, Journal of Algebra, Volume 305, Issue 1, 1 November 2006, 48-67.
  • Steffen Koenig, Katsunori Sanada and Nicole Snashall, On Hochschild cohomology of orders
    Archiv der Mathematik, 81(2003), 627 – 635.
  • 数学トレッキングガイド」教育出版, 2005(共著) 【正誤表はこちら

卒研・院生の指導内容

  • 卒業研究セミナーは,一般的に環論分野の専門書を輪読するという形式で行います.毎週一回,2時間半程度です.これまではテキストとして
    斎藤秀司「整数論」(共立出版)
    G.James, M.Liebeck: Representations and Characters of Groups,
    (Cambridge University Press)
    岩永恭雄・佐藤眞久著「環と加群のホモロジー代数的理論」(日本評論社)

    らを用いてきました. 卒研の方法としては,発表者は内容をできるだけ理解して参加者に対して説明をします.本当に理解しているかどうかはちょっと質問してみるとわかります.そういうところを私が補いながら進めていきます.

  • 大学院課程での研究ですが,修士課程では,上に書いた研究内容の目的のために,多元環の表現論,ホモロジー代数の必要な文献を詳しく読むことから始めます.院生の興味も考慮に入れて,どんな本を読むかを決めますが,過去には,多元環の表現論がかかれている
    I.Assem, D.Simson, A.Skowronski:Elements of the Representation Theory of Associative Algebras, 1
    (London Mathematical Society, Student Texts 65)
    Yu.A.Drozd, V.V.Kirichenko:Finite Dimentional Algebras (Springer)
    Pierce: Associative Algebras, (Springer)
    永尾汎・津島行男著「有限群の表現」(裳華房)

    などを用いてきました.ペースは,一週間に1日ないし2日,一回2時間から2時間半というところです。本を読んでいるだけでは修士論文は書けないので,2年生になるころからは論文を読み始めます。その中から,新しいことが見つかるようなことを探し出して(見当をつけて)研究する。おおよそこうゆう具合です。うまくいけば,論文が書けますが,新しいこと(オリジナル)を生み出すのは,いつでも大変な苦労がかかります(それも2年間ですから).私の仕事としては,文献の内容の理解を補助することと,次にどうゆう方向の文献を読めばよいかなどのアドバイスを与えること,そして問題になるようなものを提案することです。いっしょに勉強する,と言った方が適当です。

  • 博士課程では,自分でどんどん研究計画を立てて,文献(主に論文)を読み,自分のオリジナルな研究をします。これはもちろん容易なことではありません。私にできることは,一緒に論文を読んだり,院生が考えてきたことを聞くことです(アドバイスも含めて)。

担当科目(年度により変動)

  • [2年] 代数学1(前期) Aクラス
  • [2年] 代数学2(後期) Aクラス
  • [3年] 教育数学1(前期)
  • [3年] 環と加群2(前期)
  • [3年] 数学研究2(後期)
  • [4年] 卒業研究 (通年)

学部学生へのメッセージ

数学の勉強は基本的には自学自習だと思います.つまり本を読んでできるだけ正確に理解する,という作業がなにより大切だと思うのです.大学の授業は講義を聴いてそれだけで理解できれば何も言うことはありませんが,なかなかすんなりとはいきませんし,それだけでは不十分だと思います.先生が話すことは教科書の全部ではありませんし,自分で理解できたときのうれしさはまた格別だと思います.また復習してみると,わからないところが必ずでてきます.そうしたら,教科書があればそれを自分で読んでみる,ということをやってください.大学で使う教科書は学生が読んでわかるように書かれているはずなのです.そして,授業とは別に自分が興味を持てそうな分野の専門書を探して,継続的に読んでみることをお勧めします.一緒に読む仲間ができるとなおさらいいですね.

高校生へのメッセージ

大学の数学科に進もうと考えている高校生のみなさんは,おそらく数学が得意でしょう.例えば計算が得意とか,問題の解法を見つけだすのが得意,また解法を考える過程が好きだ,解けたときの満足感がたまらない,等々.

そんな人たちが大学でさらに数学を勉強したいと思って入学してきますが,大学の数学は高校の時の数学とはずいぶん違うなと思う人もまた多く,期待していたのと違うなとか,自分は数学の勉強には向いてないかな,と思い悩む人も多いようです.

しかし,それはむしろふつうのことで,そういうカルチャーショックのようなものを感じながら,かえってそれが楽しいと思ってくれることを私は期待しています.数学にはいろんな分野・方面があり,自分の興味の向くものがかならずあるはずです.

上にも書きましたが,仲間を見つけ巻き込んで一緒に本を読み,なんらかの発見にわくわくしたりして勉強していくことが,大学で数学を勉強していく醍醐味だと思います.また,数学は多方面に活用・応用されていますので,純粋数学にこだわらず,広く関心をもって学んでいってほしいと思います.