長田 祐輝 | 教員紹介 | 東京理科大学 理学部第一部数学科(おさだ ゆうき)

連絡先

E-mail: yuki.osada@rs.tus.ac.jp(SPAM対策の為アットマークは全角です)

研究分野

変分法、偏微分方程式

研究内容

非線型楕円型方程式に対して変分法を用いて解の存在や漸近挙動を研究しています。
ここでいう漸近挙動は方程式に含まれるパラメータを0あるいは無限大に近づけたときに
解がどのようにふるまうのかを研究するということです。

変分法とは変分問題を解く手法です。
ある汎関数の臨界点(汎関数の微分が0になる点)を求める問題を変分問題といいます。
関数の極値を求める問題に似ています。
汎関数とはある関数の集合上で定義された実数値関数のことです。
例えば、関数に対してその積分値を対応させるような対応も汎関数です。

方程式の解がある汎関数の臨界点として特徴づけられているとき
その方程式は変分構造をもつといいます。そして変分構造をもつ方程式に対して、
その対応する汎関数の解析を行い、もし臨界点の存在が保証できれば
もとの方程式の解の存在も保証できるというわけです。

このようにして非線形楕円型方程式に対して変分法を用いて解析しています。

主要論文・著書・学会発表

  • (with Yohei Sato) A construction of peak solutions by a local mountain pass approach for a nonlinear Schrödinger system with three wave interaction,
    Partial Differ. Equ. Appl. 6 (2025).
  • A singular perturbation problem for a nonlinear Schrödinger system with three wave interaction,
    NoDEA Nonlinear Differential Equations Appl. 31 (2024), 29 pp.
  • Energy asymptotic expansion for a system of nonlinear Schrödinger equations with three wave interaction,
    SUT J. Math. 58 (2022), 51-75.
  • Existence of a minimizer for a nonlinear Schrödinger system with three wave interaction under non-symmetric potentials,
    Partial Differ. Equ. Appl. 3 (2022), 18 pp.
  • (with Kazuhiro Kurata) Variational problems associated with a system of nonlinear Schrödinger equations with three wave interaction,
    Discrete Contin. Dyn. Syst. Ser. B 27 (2022), 1511-1547.
  • (with Kazuhiro Kurata) Asymptotic expansion of the ground state energy for nonlinear Schrödinger system with three wave interaction,
    Commun. Pure Appl. Anal. 20 (2021), 4239-4251.

担当科目(年度により変動)

[2025年度前期]

  • 数学2及演習(演習)(理学部第一部化学科1年生A組)
  • 積分論(演習)(理学部第一部数学科3年生)
  • 解析学1(演習)(理学部第一部数学科2年生A組,B組)

[2025年度後期]

  • 数理統計学2(演習)(理学部第一部数学科2年生)
  • 微分方程式論(演習)(理学部第一部数学科3年生)

学部学生へのメッセージ

大学数学は高校数学とは大分違うと感じる人が多いとよく聞きます。
しかし大学数学には高校数学にはない奥深さや自由さがあると思います。
自ら新しい概念を作り出すこともできますし、新しい分野を開拓することもできます。
また高校数学では証明しなかった定理等を証明したりします。厳密に証明が与えられるので
スッキリします。また大学数学では色々な概念を一般化します。具体的に個々に調べるだけでは見えなかった性質が一般化することにより見えてきたりします。一般化すると抽象的になりすぎて最初は
分かりにくいですが、今まで見えてこなかった重要な性質が見えてきたりするので
おもしろいと思います。

私は学部生の頃
ほぼ毎回授業終了後に先生に質問に行っていました。
質問することは恥ずかしいことではありません。
ぜひ先生や友人にわかるまで何度も聞いてみてください。

数学の真理を追究し
ぜひ大学数学を楽しみましょう!

人より時間がかかってもあきらめずに粘り強く続けていれば
きっと道は開けると私は信じています。

高校生へのメッセージ

私自身、高校生の頃、数学が好きで数学を学ぶのに
英語は必要ないと思っていました。しかし
大学の数学科や大学院の数学専攻等に進学すると
英語の論文を読む場面や英語で論文を執筆する
場面が現れます。また海外に留学する機会も
あるでしょう。そのときに私自身は非常に苦労しました。
高校生の頃にもう少しちゃんと英語を勉強しておけばよかった
と後悔しました。みなさんはそうならないよう今、
英語をしっかり学んでおくとよいと思います。

また数学では証明を理解したり書いたりする場面があります。
その際には日本語をきちんと理解できないと証明を正しく理解できないですし、
また相手にわかりやすく伝えることも難しくなると思います。
そういう意味でも数学科に進学することを考えている人は国語をしっかり学ぶことも
重要です。

もちろん英語や国語以外の科目も重要です。
そして何より大事なのはきっと数学を好きな気持ちを忘れないという
ことだと思います。
ぜひその気持ちを忘れずに今の勉強を頑張ってください!