吉川 祥 | 教員紹介 | 東京理科大学 理学部第一部数学科(よしかわ しょう)

連絡先

E-mail: yoshikawa@rs.tus.ac.jp(SPAM対策の為アットマークは全角です)

研究分野

整数論

研究内容

楕円曲線やモジュラー形式とよばれる整数論的対象と、Galois群の表現(Galois表現)という代数的な対象との間の関係を研究しています。Galois表現を調べることで楕円曲線やモジュラー形式のことが調べられますし、逆に楕円曲線やモジュラー形式のことからGalois表現についての情報を得ることもできます。

特にこれまでは、いわゆる志村谷山予想の一般化について研究してきました。志村谷山予想は、(平面3次曲線である)楕円曲線が、実は(複素上半平面上の性質の良い関数である)モジュラー形式とぴったり対応していることを予言するものです。楕円曲線の定義方程式の係数が有理数係数の場合はすでに証明され、有名な「フェルマーの最終定理」の解決に重要な役割を果たしました。私の研究では、係数が有理数係数ではなくより一般の場合を扱っています。

主要論文・著書・学会発表

  • (with Yasuhiro Ishitsuka, Tetsushi Ito) The modularity of elliptic curves over all but finitely many totally real fields of degree 5, Research in Number Theory, volume 8 (2022).
  • Reducible mod 105 representations and modularity of elliptic curves, Journal of Number Theory, volume 228 (2021), 208-218.
  • Modularity of elliptic curves over abelian totally real fields unramified at 3, 5, and 7, Journal de Theorie des Nombres de Bordeaux, 30.3(2018), 729-741.
  • (with Kohei Fukuda) The 12th roots of the discriminant of an elliptic curves and the torsion points, International Journal of Number Theory, 13.04 (2017),1037-1060
  • On the modularity of elliptic curves over a composite field of some real quadratic fields, Research in Number Theory, 2.31 (2016).

卒研・院生の指導内容

卒研指導:整数論・数論幾何のトピックの基礎をセミナー形式で学びます。たとえば、代数的整数論・モジュラー形式・楕円曲線など。
院生指導:卒研指導で学んだ内容をもとに、学生の希望をふまえつつ、より発展的なテキストや論文をセミナー形式で読み進めます。主に、楕円曲線・Galois表現・モジュラー形式の近辺のトピックを提示することが多いかと思います。

担当科目(年度により変動)

  • 線形代数学1・2(数学科1年生)
  • 環と加群1(数学科3年生)
  • 数学研究2(数学科3年生)
  • 代数学3/代数学特論(三)(数学科4年生/大学院生)
  • 卒業研究 (数学科4年生)

学部学生へのメッセージ

数学はひとりでじっくり考える時間も大事ですが、友達・先輩・後輩・先生など、いろんな人と積極的に関わって、たくさん刺激を受けてほしいです。ネット上にいろんな情報が溢れている時代であっても、実際に新たな興味をもつきっかけや勉強するエネルギーを与えてくれるのは、なんだかんだ身近にいる人のはずです。
私のいる7号館の8階にもぜひお気軽にお越しください。お待ちしています!

高校生へのメッセージ

みなさんは、数学はどういうものだと思いますか?
私は、数学とは「ものごとの本質を突き詰める学問」・「考え方・アイディアの学問」だと思います。良いアイディアは、柔軟性・汎用性が高いものです。そして、本質を捉えようとする姿勢や技術や考え方を身に付けることは、(数学に限らず)人生のいろいろな場面で必ず活きてくるはずです。東京理科大学で、叡智の結晶というべき数学の理論を学んでみませんか?