本学は、1881年に日本で初めて創立された理系の私立学校です。現在の理学部第一部数学科(以下数学科と略称します)は、主として物理と数学を教えていた東京物理学校の135年の歴史と伝統を今に受け継いでいると言えます。その間、充実した教育を行い、多くの数学研究者を輩出し、非常に多くの中学校・高等学校の教員を世に送り出しています。ちなみに夏目漱石の小説「坊ちゃん」の主人公は旧制中学校の数学教員ですが、東京物理学校の出身です。また、身につけた数学的素養をもとに銀行・生命保険会社等の金融関連産業やIT関連産業へも、昔から多くの数学科卒業生が就職しています。
数学は、19世紀、20世紀、そして現在に至るまで、純粋・応用のどちらも絶えず目覚ましく発展しています。数学科では、学生が卒業するまでの4年間に、この発展しつつある現代数学の基礎をしっかり学び、少しでも多く現代数学の雰囲気を身につけてもらうことを目標にしてカリキュラムを組んでいます。
数学科では、1年次に微分積分学・線形代数・論理と集合・幾何学基礎などの科目を演習を含めて26単位を履修し、基礎固めをします。2年次では解析学・代数学・幾何学・数理統計学・位相の科目を27単位履修します。専門科目の基礎をしっかり時間をかけて学び、3年次以降の科目へと進んでいく充実したカリキュラムが組まれています。
3年次に少人数のセミナー形式で行う数学研究1、2を開講しています。卒業研究に進む前にセミナーを全員が体験することで、入学時点で思い描いていた夢を熟成させる場としての卒研でより良い学びを実現しています。
3年次以降にはさらに進んだ数学の専門科目が数多く開講されています。
実力主義の伝統のもと、企業への就職・数学の研究者・数学科教員等を目指す学生が、自分に必要なしっかりとした数学的素養を身につけることができるようになっています。
また、情報産業へ進む学生向けのIT関係の専門選択科目が数多く開講されています。
理学部第一部数学科は、中学校・高等学校の教員養成に関して輝かしい伝統をもっています。数学科としては教員希望者に対して、取得可能な3つの免許状を取得することを勧めています。
また、教職科目の数学科教育論1、2を専門選択科目として開講し、数多くの教職科目を履修しなければならない学生の負担軽減を図っています。